中国人旅行客の動向

 関西では日本を象徴する桜の木が花の薄い桃色からから新緑の黄緑色に変わりつつある。桜の名所と呼ばれる各地では訪日外国人観光客であふれたが、桜は散れども訪日観光客の足が途絶えることはない。インバウンド需要が高まる中、とりわけ隣国中国からの旅行客は日に日にその存在感を増している。今回はそんな中国人旅行客の動向を追う。

家族との旅行が圧倒的に人気だ

 中国観光研究院の戴斌院長は、「モニタリングを始めてから現在までのデータによると、国民の旅行願望度は82%から87%と高いゾーンを維持しているうえ、変動しつつも上昇傾向を呈している」と紹介した。同研究院がこのほど実施した調査によると、「家族旅行はとても楽しい経験」と答えた人は約80%、「家族旅行には必ず行きたい」とした人は96.5%に達した。
 統計データによると、2018年に国内旅行に出かけた人は、前年比10.76%増の延べ約55億4000万人、観光収入は同12.3%増の5兆1300億元(約84兆1429億円)。海外旅行に出かけた中国人は同13.5%増の延べ約1億4800万人だった。

 中国人の旅行願望度が上昇するにつれて、観光消費額も上昇の一途を辿っている。中国観光研究院と銀聯商務股份有限公司が1月29日に発表した「2018年中国観光消費ビッグデータ報告」では、中国人観光客の観光ビッグデータに対する全体分析とサンプリング分析を結合させた調査を行い、業界内に通用している慣例を参照し、観光消費レベルに基づき、観光客を「高価値旅客群」「都市レジャー旅客群」および「大衆消費旅客群」の3グループに分類した。

リゾートなど、レジャー志向が高まっている

 1日あたり消費額が「20ドル(約2200円)から50ドル(約5500円)」の「都市レジャー旅客群」の旅客総数に占める割合は、2016年の23.1%から2018年には29.9%に上昇した。「50ドル以上の『高価値旅客群』は、6.4%(2016年)から8.4%(2018年)に上昇」。報告は、「2020年までに、『都市レジャー旅客群』の割合は36.9%、『高価値旅客群』は10.4%まで、それぞれ上昇し、2グループ合わせると、中国人観光客総数の過半数を占める見込み」と予測している。

 また「都市レジャー旅客群」の急増によって、観光消費のアップグレードがさらに進むと予想される。銀聯のデータによると、向こう3年で、観光客による観光地での飲食消費の成長率は年20%以上、リゾート地での消費額成長率は年30%以上、それぞれ増加する見通し。

 戴院長は、「十年間続いている国民レジャー調査の結果から、都市住民の休暇時間が短縮する一方で、外出の行動範囲は拡大し続けており、休暇活動における旅行の割合が上昇していることが判明した。人々が素晴らしい生活を目指す上で、旅行サービスの品質向上に期待していることは間違いない」とコメントした。


出典:やまとごころ.jp (最終閲覧日:2019年4月22日)
https://www.yamatogokoro.jp/column/inbound-peoplecn/31578/

まとめ
 旅行そのものが大きな人気を博する中国。今後もその趨勢は衰えることはないだろう。インバウンド対策するところはその分口コミも増えその口コミを通じてやってくる観光客がさらなる口コミ効果を生む。対策の有無が大きなギャップを生みやすい環境になってきているといえるだろう。

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