アンケートに見る訪日客の動向


2019年1月の訪日外国人数は前年比7.5%増の268万9400人。前年比同月の250万1000人を18万上回り、1月としては過去最高を記録している。観光庁ではこのように増え続ける訪日外国人に定期的にアンケートを行っており、今回の「旅行中に困ったこと」では、日本人も直面することや外国人ならでは。という問題もランクインしている。

【ポイント】

観光庁では訪日外国人へのアンケート調査を定期的に行っており、今回は「旅行中に困ったこと」と、地方誘客において重要な「公共交通の利用の状況把握」に絞ってアンケートを実施した。

・20代が最も多く、20代・30代で回答者の7割を占める。

・訪日5大市場(韓国、中国、アメリカ、台湾、香港)は各400以上、インドネシア・タイ・マレーシアの3カ国で計600以上の回答を回収した。

・6割以上が訪日経験2回以上のリピーターである。


・30年度調査ではほぼ全ての項目で改善が見られ、「困ったことはなかった」の回答も36.6%となった。
・「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」が最も多く20.6%となり、「無料公衆無線LAN環境」 「公共交通の利用」「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」と続いた。
・29年度と30年度を比較すると、「その他決済手段」の困った比率が唯一増加した。

スマート観光推進機構 2019年4月3日

まとめ

今回のアンケート回答者は20代~30代が7割でなおかつ、訪問回数2回以上が6割以上とのことで、回数を重ねても気になる「その他決済手段」については日本でQR決済自体は普及しているのにも関わらず、海外主要支払い方法に適応していないという不便さが浮き彫りになっているのではないだろうか。「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」については「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」が影響しており、訪日回数も増え地方に足を延ばすと案内板などに外国語表示がされていないので施設スタッフに聞かなければならない。という手間が「困ったこと」に結びついているのではないのだろうか。このことから考えさせられるのは、ホームページは外国語表記がされているが問い合わせ及び支払い方法は日本語・日本独自の決済項目のみ。などの細部まで外国人訪日客をサポートできていないサービスの蔓延である。訪日外国人を受け入れるには、訪問回数に左右されず内容を理解できる説明を事前に行うことで集客に結び付くであろう。

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