近年、かつて日本の市場を騒がせた中国からの「爆買い」が収束しつつある中、新しいタイプの日本旅行が人気を集めている。かつての「爆買い」が「モノ消費」のための旅行だったとすれば、これからは「コト消費」の旅行といえる。
単に必要な「モノ」を買うために日本を訪れるのではなく、日本特有の文化や日本が提供する様々なサービス、そして、その雰囲気を楽しもうと関心が「モノ」から「コト」へと移っているというのである。
以下、記事によれば2019年が2020年東京オリンピックを控えた年としてだけではなく、日中固有の様々な理由から「日本」が中国の人々にとって、より一層身近で、手軽に尋ねることができる観光地になる可能性を指摘している。
2018年の訪日中国人旅行客は800万人を上回った。中国メディアの今日頭条は「2019年は中国人にとって日本を旅行するのに絶好の年となる」と予想する記事を掲載した。
理由の1つは「ビザ取得が緩和されること」。学生や過去3年間に個人で旅行ビザを2回以上取得した人が対象となる。また、日中を結ぶ航路を持つ複数の航空会社が航路を新設、また増便をすることも大きな促進力となる。これの要因から「日本を訪れる中国人旅行者の目的が、これまでとは大きく変化する」という。一部の中国人にとっては「日本は週末を過ごす場所」へと変化し、たびたび足を運ぶ目的地になるのではないかというものだ。
また「コト消費」へ変化している中国人に対して、「早めに計画をして予約をすれば、お得なだけでなくより快適に過ごせる」として、日本で週末を楽しむのに最適な場所を具体的に紹介。それは日本人も週末にゆっくりと過ごしたり、目的を持って遊びたいと思うような温泉のあるリゾートホテルやテーマパークで、中国人にとって日本のリゾート地がより気軽な行き先になる可能性を感じさせる。
ビザの緩和がすべての中国人に恩恵をもたらすわけではないが、「日本が週末に訪れる新たな目的地」へと変化する可能性は興味深い。「一度日本を訪れると、また訪れたくなってしまう」という中国人は多く、ビザ緩和が今後の訪日客数にどのような影響を与えるか期待したいところだ。
出典元:Searchina (最終閲覧日:2019年04月01日)
http://news.searchina.net/id/1677165?page=1
まとめ
「モノ消費」から「コト消費」へと向かう中国人観光客たちにとって、今まで以上に限られた短い時間でも効率よく、自らのニーズに合った旅行を組み立てるためにも、事前調査や計画を立てることになるだろう。「モノ消費」から「コト消費」への変化は彼らの旅行スタイルの変化をもたらすと同時に、彼らを受け入れていく日本のインバウンド事業がその変化をつかむことが求められる。正に、インバウンド向けの集客方法次第で大きな「違い」が生まれるのである。