関西の各地が訪日外国人であふれかえっています。その大半を占めるのが中国、韓国、台湾などの中華圏からの観光客ですが、少し前まで「爆買い」で日本にインパクトを残した訪日中国人は中でも14億に迫る人口を抱え、地理的な好条件も重なって、今後も大きな期待がされているインバウンド市場といえます。
その訪日中国人をターゲットにしたマーケティングツールとして注目を集めるのが、ウェイボー(Weibo、微博)と呼ばれる中国最大のSNSです。ユーザー数は7.2億を超え、ユーザー全体の75%が大卒で、大きな経済的なポテンシャルを持ったSNSといえます。 さらに一昨年に比べ、昨年日本企業様のウェイボー公式アカウント登録数はなんと4倍も伸びています。日本企業にとっても、中国向けプロモーションにウェイボーはなくてはいけない存在となってきています。
しかし、公式アカウント登録して情報配信するだけで集客につなげることができるかというとそうでもありません。中国向けの情報配信するには中国のSNS事情を把握する必要があります。今日はその一つの事情である政治背景について説明したいと思います。
今日のヤフーニュースのトップに上がっていた記事(天安門 日の丸バスで邦人救出)を例に説明しましょう。6月3日は1989年に起きた天安門事件のあった日です。それに合わせて、従来は自由に記事の投稿が許可されているウェイボーも政府からの厳しいチェックにさらされています。
今日から明日にわたって、日本からの記事投稿はかなり厳しく審査され、記事の投稿が反映されるまで時間がかかります。また、「天安門」「学生運動」「事件」などの文字が入っている場合は投稿できず、場合によってアカウントが閉鎖される可能性もあります。現時点でもいくつかのアカウントが閉鎖されたという話もあります。
せっかく開設したアカウントでも政治背景を知らず、日本では問題がないと思って、軽い気持ちで配信したたった一つの記事で、閉鎖されてしまう可能性が十分にあるのです。中国SNSを運営するには政治背景を理解していなければ、これまでの苦労が水の泡となってしまかもしれません。
◆まとめ◆
14億を超える市場を攻略するには、欠かせないSNSによるプロモーションですが、語学だけではなく、「金盾」と呼ばれる検閲障壁にも注意が必要です。訪日中国人の集客を目指すには中国ならではの事情や文化的背景にまで配慮することが遠回りのようで、実は確実な道といえるでしょう。
訪日外国人特に訪日中国人集客にはウェイボーがおすすめ!
そのほかのウェイボーに関する情報はこちら
⇒知っておくべき中国のSNS事情 その2 -中国人ユーザーが求めるもの!?ー
⇒知っておくべき中国のSNS事情 その3 -ピンポイントで中国人観光客が訪れる理由ー