インバウンド事業の現場で切っても切り離せないのが「言葉の壁」です。今から勉強するにもなかなかうまくいかない…ポータブル翻訳機も実装検討中なので効果がまだ不明。という懸念もあるのではないでしょうか。そんな中、昨年よりテレビCMなどでも一世を風靡している小型翻訳システム。実際翻訳システムを使うことによって現場事情は改善したのでしょうか。
翻訳システムの有効性を観光施設で実施
観光庁では、訪日外国人とのコミュニケーション課題に取り組むため、多言語音声翻訳システムの効果検証を全国規模で実施し、4月3日にその結果を公表しました。有効だとする声が多く寄せられ、システム導入を推進していくとしています。<対応のしやすさ>
■とても対応しやすくなった_26%
■やや 対応しやすくなった_60%
■あまり対応しやすくなってない_12%
■全く対応しやすくなっていない_1%
<満足度>
■とても満足_19%
■ まぁまぁ満足 _70%
■ やや不満 _11%
■ とても不満 _0%
8割以上が「対応しやすくなった」と回答
同庁では、訪日外国人と施設スタッフとのコミュニケーションが課題となっていることから、全国約50地域、500の観光関連施設で多言語ツールの効果を検証。
ツールは国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した多言語音声翻訳システムを活用し、その後施設と約270名の訪日外国人旅行者にアンケートを行いました。
施設側への質問で、他言語音声翻訳システムにより訪日外国人旅行者への対応が「とてもしやすくなった」と回答したのは26%、「ややしやすくなった」の60%を合わせると、全体で86%。満足度は89%となっています。
95%の外国人が「有効」と回答
訪日外国人旅行者への質問で、システムの利用によってコミュニケーションが「成立すると思う」と回答したのは59%、「一部成立すると思う」は36%。合わせると95%が有効であると考えていることが分かりました。
また、「訪日時の満足度が高まるか」という質問に「高まる」と回答したのは50%、「やや高まる」は45%、「変わらない」5%となっています。
出典:訪日ラボ (最終閲覧日:2019年4月8日)
https://honichi.com/news/2019/04/08/hatsu-no-zenkok
まとめ
今回のアンケート結果により、翻訳システムでコミュニケーションをとることは決して悪い印象ではないようです。既に導入している機関では対応側にとっても欠かせないツールとなっていることも確かです。 筆者も英語は流暢ではありませんが、訪日外国人に積極的に道案内をするよう心がけています。その際、スマホアプリを利用して道案内をしていますが片言な英語よりもお互い理解しコミュニケーションが取れていると実感しています。 現場環境に左右される可能性がありますが、導入を検討しているのであれば、まずはスマホ翻訳アプリを使用の上、実装までのテストを行うのもお勧めです。