旅先では一人でゆっくりしたい!と、思ったことはありませんか?外国人旅行者にもその傾向は広がっている様です。
国によって「パッケージ旅行」と「FIT」どちらを好むのか傾向はあるのでしょうか。
「パッケージ旅行」は予め決められたルートでのみの行動となりますが、「FIT」になると決められたルートはありませんが、すべて自身での手配となってきます。そんなユーザーに的確に情報を発信するにはどうするのか。
まずは「FIT」のことをよく知り、今後どのように変化が起きるのかじっくりと見ていきましょう。
■FITとは?
FITとは、団体旅行やパッケージツアーを使わずに個人で手配をして海外旅行に行くことを指します。Foreign Independent Tour、もしくは Free Individual (Independent) Traveler の頭文字の略です。
日本では1964年に海外観光旅行が自由化されましたが、最近でも団体旅行やパッケージツアーを利用する海外旅行が一般的です。
ただし、何度も海外旅行に行く層では、パッケージツアーではなく自由に好きな所に行きたいというニーズが出てきました。同じ国・地域に何度も行く人(リピーター)が増えたことに加えて、海外旅行の目的が観光だけではなく現地に住む家族や友人を訪ねたり、ビジネスなどで海外に出たりする人が増えたことも一因と考えられます。
FITという言葉が聞かれ始めたのは、1990年代に格安航空券が出回り海外旅行に行く人が急増した頃からと言われています。
FITという区分ができたことで、インバウンド市場でもこうした旅行者を対象としたマーケティング策が練られるようになってきました。観光庁の発表によると、訪日外国人観光客のFITの割合は2012年には60.8%、そして2018年には78.7%となっています。■FITは欧米に多く、旅行時の消費支出が大きい
訪日外国人観光客の旅行の手配方法は、全体の68.9%が「個別手配」となっており、FITが半数以上を占めていることがわかります。
国・地域別旅行者のデータを確認してみると、欧米諸国からの訪日客のうち、FITは全体の90%を占めています。
対照的に、中国や台湾などのアジアからの訪日客は団体旅行で日本を訪れる割合が高く、欧米諸国と比べるとFITの比率はやや下がります。
ヨーロッパ諸国の訪日観光客数は、アジアからの訪日観光客数よりも少ないものの、訪日旅行での消費支出額が大きいので、インバウンド市場では魅力的なターゲットとなっています。その中でも特に、訪日ドイツ人観光客の訪日リピート率は他の欧米諸国よりも高くなっていることは特筆に値するでしょう。ヨーロッパ諸国の訪日観光客数は、アジアからの訪日観光客数よりも少ないものの、訪日旅行での消費支出額が大きいので、インバウンド市場では魅力的なターゲットとなっています。その中でも特に、訪日ドイツ人観光客の訪日リピート率は他の欧米諸国よりも高くなっていることは特筆に値するでしょう。
観光客のニーズの多様化でFITは増加
以前は、特に中国人観光客の間で「ゴールデンルート」と呼ばれる主要観光地を巡る旅行が人気でした。しかし、リピーターが増えた現在は、インターネットで気軽に情報が手に入る環境で訪日外国人のニーズが多様化してきました。パッケージツアーや団体旅行にない観光地への興味や、体験旅行をしたいという人が増えています。■FITへの効果的なインバウンド施策、3つのポイント
では、そのFITをターゲットとして集客をするにはどのようにすればよいのでしょうか?個人旅行客を獲得するために必要なインバウンド対策3つを、ポイントを絞って紹介します。
■SNSや動画を活用して旬の情報を発信
パッケージツアーを利用しないFITの観光客は、宿泊先やレストランを探す際にもウェブサイトやSNSから情報を探すことが多いので、インバウンド対策にはインターネットを活用することが重要となります。
京都嵐山のある旅館では、平日の稼働率を改善するために、英語サイトの開設と、旅館周辺の観光スポットを写真をふんだんに使い紹介するという海外プロモーションを行いました。その結果、外国人宿泊者の比率が10%から45%に増えたといいます。
また、「ベジタリアン食に対応する」「ハラルには対応しない」など、旅館の方針を英語サイトに明記したため、外国人宿泊客が増加してもトラブルはほとんど発生していません。
■無料Wi-Fiを利用できる環境を整える
無料Wi-Fiを利用できる環境を整えるFITの訪日外国人観光客が日本に来て不便だと思ったこととして、無料Wi-Fiや交通手段に関しての情報が少ない事があげられます。FITは団体旅行で来ている訪日観光客に比べて公共の交通機関を利用することが多く、観光地でもレストランを探したり周辺情報を得るためにインターネットを利用する機会が多いため、無料Wi-Fiが利用できる環境を整えたり、無料Wi-Fiがどこで使えるのかといった情報を発信する必要があります。■観光地への交通手段の充実
出典:訪日ラボ (最終閲覧日:2019年6月5日)
日本は主要な都市の公共交通機関はとても便利に発達していますが、訪日外国人にとっては複雑すぎてわかりにくいと感じるようです。また、地方に行くとバスが一時間に一本というところも少なくなく、タクシーを利用する機会もあるでしょう。
交通手段の面で訪日外国人の不安を軽減できるよう、通信環境を整備したり、交通機関・観光地への通訳案内士を配置したりして、地域を訪れる外国人客の満足度向上を図ることが重要です。
実際に日本を訪れたFITによる良いクチコミがインターネットを通じて広がり、さらに多くの訪日外国人観光客がその土地を訪問するきっかけになるという良いサイクルを生み出しましょう。
https://honichi.com/news/2019/06/05/aboutfit/
■まとめ■
どのようにして的確に情報を発信するかは、今後も続く課題です。ですが、発信した情報が相手に思うように伝わらない場合の「救済策がどれほど用意されているか」も、情報の信用度となります。専門用語が多く検索を多用しないと理解できない内容であれば、閲覧者はさらに混乱してしまいます。初めて情報を目にする「初心者」にも内容をわかりやすくすることを心掛けることで、情報の細部まで理解してもらうことができるでしょう。情報発信方法の見直しの際、併せて情報内容の理解度を上げることも併せて見直すことで飛躍的にお客様の満足度も上がることでしょう。
弊社では、事務所内には海外事情に詳しい外国人スタッフが在籍しておりますので、日本人と外国人の間で生じる情報のギャップを埋めながら企画を進行することが可能です。