「オーバーツーリズム」という言葉をご存じでしょうか?近年、訪日外国人の増加が続く中で、オーバーツーリズムという単語がいろんなところで、使われています。「オーバーツーリズム」はいわゆる観光名所と呼ばれる場所で、本来のキャパシティ以上の観光客が押し寄せることを意味ます。 今回はそういったピンチをチャンスに変える秘訣を一緒に考えたいと思います。
◆京都市宿泊税条例施行により宿泊税の徴収スタート◆
京都市宿泊税条例とは、京都市のホテル・旅館・民泊など全ての宿泊施設で、利用客から宿泊税を徴収する制度です。すでに導入している東京都や大阪府に続き、京都市は全国で3例目となります。
これまで宿泊料金だけを支払っていればよかったところを、その料金に応じて宿泊税も追加で支払うことになるので、慣れない利用客からは戸惑いの声が出ています。
【京都市宿泊税条例施行に至った経緯】
東京、大阪、京都など日本を代表する観光都市では、近年日本人の旅行者だけでなく外国人観光客が急増しています。
平成29年の京都府全体の観光客数は約8,687万人で、そのうち外国人観光客数は約361万人と過去最高を記録しました。
京都市単体では、観光客数が約5,362万人、外国人宿泊客数は約352万人となっており、京都府を訪れる外国人観光客のうち大部分が京都市に滞在していることがわかります。
しかし、京都市はこの状況を手放しに喜べる状況ではありませんでした。
外国人観光客急増の裏では観光地の交通渋滞、迷惑行為、観光公害といった問題が増えていたため、受け入れのための環境整備を急ピッチで進めていくこと、それと同時に整備の財源を確保することが必須になっていました。
【徴収した税金は何に使われるのか】
初年度19億円、翌年からは45.6億円を見込んでいる宿泊税は、具体的に一体何に使われるのでしょうか。
先に導入された大阪では、2017年の宿泊税の税収額が7億7,000万円となっており、実際に無料(フリー)Wi-Fiの整備、案内標識の設置、国内外へのプロモーションなど様々な事業に使われています。
京都府でも、宿泊税を財源として以下の取り組みが予定されています。
-観光地および公共交通機関の混雑緩和
-施設の多言語化や観光トイレの拡充など環境インフラ整備
-文化財保護や景観保全
-宿泊税導入にあたる宿泊事業者の支援
-違法民泊対策
新しい制度が導入された際、困惑の声が上がるのは当然のことです。大事なことは、この徴税は京都市の観光振興、環境整備が目的だということでしょう。
利用側も施設側も、長期的に見てこれらの目的が果たされることを見守る姿勢でいることが、ひいては京都市の環境を守ることになります。こういった考えがより広く利用者の理解を得て、制度がスムーズに浸透していくことが期待されます。
出典:訪日ラボ (最終閲覧日:2019年5月20日)
https://honichi.com/news/2019/05/20/kyotoaccommodationtax/
まとめ
オーバーツーリズムの原因はたくさんの人が日本の魅力を求めてやってくるけれど、受け入れる側の容量不足にあります。逆に言えば、たくさんの人たちが日本に魅力を感じ、やってくるわけですから、日本からその魅力を発信していけば自然と人はやってくるわけです。未だ認知されていない日本の良さを知ってもらうためにも、旅マエの時点で彼らに情報を届けることは直接集客に影響します。中国向けには微博や大衆点評、台湾香港ではFacebook、欧米圏であれば、トリップアドバイザー、韓国ならネイバーブログなど各地に合わせた情報発信は着実にその国の人々の心を掴み集客の方法として大きく力を発揮してくれるでしょう。